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AIで仕事が不安な50代・60代へ。最初にやること

仕事がなくなる不安を、作業の棚卸し、AIの小さな試用、学び直しの順に整理します。

明るい部屋でノートとパソコンを前にこれからの仕事を考える50代男性

AIで仕事が変わると聞くと、まず不安になります。自分の仕事は残るのか、今さら何を学べばよいのか、定年後の収入はどうなるのか。そう感じるのは自然です。

ただし、この記事では「この職業はなくなる」と断定しません。ILO、WEF、Microsoft Research、厚生労働省などの公開情報から言える範囲に絞り、不安を今週できる行動に分けて整理します。この記事には個別商品の広告リンクは入れていません。

最初にやることは、仕事を辞めることでも、高い講座を申し込むことでもありません。自分の仕事を作業に分け、小さくAIを試し、学び直しの方向を決めることです。

まず確認したい事実

ILOの2025年の更新では、世界の労働者の4人に1人が何らかの生成AIへの露出がある職業に就いている一方、人間の関与が引き続き必要なため、多くの仕事はなくなるよりも変化しやすいと説明されています。

WEFのFuture of Jobs Report 2025では、2025年から2030年にかけて、労働者の既存スキルの39%が変化または古くなる見通しとされています。AIやビッグデータ、技術リテラシーだけでなく、分析的思考、粘り強さ、柔軟性も重要なスキルとして挙げられています。

ここから言えるのは、「今の仕事が明日消える」と怖がるより、「今の作業の一部が変わる」「必要なスキルが少しずつ変わる」と見たほうが現実に近い、ということです。

不安を3つに分ける

不安を大きなまま抱えると、何から手をつければよいかわからなくなります。まずは次の3つに分けます。

不安の種類見るポイント最初にやること
仕事がなくなる不安職業名ではなく、毎日の作業1週間の作業を書き出す
AIについていけない不安AIに任せやすい小さな作業メール文や要約で試す
収入が減る不安学び直し、副業、体力、就業規則無理なく試せる選択肢を調べる

1. 自分の仕事を作業に分ける

最初の一歩は、自分の職業名を眺めることではありません。1週間の仕事を、できるだけ細かい作業に分けて書き出します。

  • メールを読む、返す
  • 会議メモをまとめる
  • 資料を作る
  • 問い合わせを振り分ける
  • お客様や社内の人と調整する
  • 数字や書類を確認する
  • 判断が必要な内容を上司や担当者に相談する

厚生労働省の職業情報提供サイト job tag では、500を超える職業について、ジョブ、タスク、スキルなどの観点から職業情報が整理されています。自分の仕事を客観的に見る入り口として使えます。

書き出した作業は、AIに任せやすい、AIに手伝ってもらいやすい、人が確認すべき、人との関係や責任が大きい、の4つに分けます。ここまでできれば、不安はかなり小さくなります。

2. AIを小さく使う側に回る

Microsoft Researchは、Bing Copilotの匿名化された20万件の会話を分析し、ユーザーがAIに求める作業として情報収集と文章作成が多いと報告しています。つまり、最初に試すなら調べものの整理、文章の下書き、要約のような小さな作業が向いています。

  • 長い文章を3行で要約してもらう
  • 家族に送る文章をやわらかく直してもらう
  • 会議メモから、やることリストを作ってもらう
  • 自分の作業を4分類に分ける表を作ってもらう
  • わからない言葉を、専門用語を使わず説明してもらう

最初から仕事の重要判断に使う必要はありません。むしろ、最初は失敗しても困らない文章整理や練習用メモで十分です。

AIに入れないほうがよいもの

総務省と経済産業省のAI事業者ガイドラインでは、生成AIの普及に伴い、知的財産権、偽情報・誤情報などのリスクも生じていると整理されています。仕事で使う場合は、個人情報、社外秘、契約内容、未公開の数字などを安易に入力しないことが大切です。

  • お客様の氏名、住所、電話番号
  • 会社の売上、取引条件、未公開資料
  • 契約書や請求書の全文
  • 健康、法律、お金に関わる最終判断

3. 学び直しは、講座名より目的を先に決める

不安になると、すぐにAI講座や資格講座を探したくなります。ただ、目的が曖昧なまま申し込むと、難しすぎる、続かない、仕事に使いにくいということが起きやすくなります。

目的最初に学ぶこと
今の仕事で置いていかれたくないAIで文章、要約、調べものを試す
事務作業を少し楽にしたい表計算、ファイル整理、AIの確認方法
定年後も小さく働きたい求人の探し方、スマホ操作、接客や記録
趣味や経験を活かしたい写真、文章、発信、販売の基本

厚生労働省の教育訓練給付金は、働く人の主体的な能力開発やキャリア形成を支援する制度です。対象講座や給付条件は変わるため、講座を選ぶ前に公式サイトで確認します。文部科学省のマナパスも、社会人の学び直し情報を探す入口になります。

小さな収入源は、慌てず条件を確認する

収入の不安が強いと、副業やスキマバイトをすぐ始めたくなります。小さく試すこと自体は選択肢になりますが、就業規則、労働時間、体力、税金の確認を後回しにしないほうが安全です。

厚生労働省は副業・兼業について、労働時間管理や健康管理の資料を出しています。国税庁のタックスアンサーでは、給与所得者で確定申告が必要になる条件も整理されています。金額だけで判断せず、働き方と手続きも合わせて確認します。

今週やるチェックリスト

最初の1週間は、大きな決断をしなくて大丈夫です。次の5つだけで十分です。

  • 1週間の仕事を10個の作業に分けて書く
  • そのうち1つをAIで試してみる
  • AIの答えをそのまま使わず、自分で直す
  • 学び直しの目的を1つだけ決める
  • 副業や講座に申し込む前に、就業規則と公式情報を見る

AI時代の準備は、特別な才能を持つ人だけのものではありません。まずは、自分の仕事を作業に分けること。次に、AIを小さく使ってみること。そして、必要な学びを一つだけ選ぶこと。ここから始めれば、不安は行動に変えられます。

主な出典

#AI不安#学び直し#50代の備え

編集部より

「大人のこれから帖」編集部は、AIやネット情報に慣れていない大人世代にも伝わる言葉で、暮らしの選択肢を整理します。